カテゴリー別アーカイブ: 嫉妬

支援してくれる人

「支援してくれる人がいたら、すぐにでも上京したいな」とポンタは常日頃言っていた。
ポンタは僕の幼なじみで、生まれた場所も誕生日も一緒だ。親同士も交流があり、僕たちはきょうだいのように育ってきた。子供の頃から、親しみを込めてポンタと呼んでいるが、れっきとした女性だ。
とにかく何もない村だが、自然は豊かである。よくポンタとの山を駆け巡ったものだ。僕とポンタは共に遊び共に学び共に世界を知っていった・・・男女差が出てくる性徴期に入るまでは。
お互いに性の違いを意識し始めてから何だかポンタと会話がしづらくなった。疎遠になったとまでは行かないが、あいさつを交わす程度の関係へと変わっていった。遠巻きに見るポンタは、胸もお尻も大きくなりみるみる女性っぽさを増して行った。「いつまでも子供の頃みたいにポンタって言わないでよ」と拗ねるポンタがかわいらしく思った。
パトロンの意味
高校生の頃、ポンタと寝た。お互いに性に興味津々の頃である。しかし、周りには僕にとってはポンタ、そしてポンタにとっては僕くらいしか、同世代の若者がいなかったのが現実だ。「まあ、いいや。やっちゃおか」とポンタは軽いノリで股を開いてくれた。僕はその日のために、親と町に買い出しに行った時にこっそりとコンドームを買って備えていたのとは対照的だ。
だが、こんな過疎化が進む村にしがみつく若者はいない。僕の親もそれを分かっていて、僕を東京の大学にやってくれた。村に残って親の家業を手伝うことを決めたポンタとは一旦別れることになった。ポンタには支援してくれる人がいなかったのだ。だが、ポンタは拗ねることもやっかむこともなくて「行ってらっしゃい」と明るく僕を見送ってくれた。
しかし、4年後、僕は村へと帰ってきた。親の農家を継ぐためだ。これは僕の意志である。僕はこの村が好きだし、そしてポンタのことはもっと好きだ。だが、もう村にはポンタはいなかった。帰ってきた僕と入れ替わるように、都会の男性に見初められて嫁に行ったのだそうだ。ポンタは支援してくれる人を見つけたのだ。
ポンタがいなくなった村は僕にとっては空虚な世界だった。もし、僕が大学に行かずそのまま農家を継いでいれば、今頃、僕の隣にはポンタがいたかもしれない。今、僕はこんな自分を支援してくる人を出会い系サイトで探している。
お金の支援
デブのパパ活

セックスしないでお金を稼ぐ

うちの会社に4月から派遣されているタカコさんはいわゆるスーパー派遣社員だった。派遣社員なんてアルバイトに陰毛が生えた程度の存在だろうと高をくくっていた僕だが、彼女の働きには舌を巻いた。もし正社員雇用とでもなったら僕の地位なんてたちまちタカコさんに奪われてしまうだろう。しかし「ああ、でも私、9月までの契約なんで」とタカコさんは言っていた。
タカコさんはスタイル抜群でルックスもよくて、特に僕の上司は彼女を狙っていたようだが「飲みに誘っても断られるし全くなびいてくれないんだよ」とぼやいていた。定時までにびしっと仕事をこなしてだらだらと残業している僕たちをしり目にサクッと帰っていく。年下の女性ながらその姿はカッコよさに溢れていた。
そんな頃、僕は知人に誘われてある出会い系サイトに出入りしていた。僕自身もセックス相手に飢えていたこともあった。そして、そこにタカコさんがいた。彼女は出会いを求めていたわけではない。露骨に援助交際目的だった。
僕も最初は派遣社員と出会い系サイトのタカコさんが同一人物とは思わなかった。ただ、普通にタカコさんと言う名前に惹かれてコンタクトを取ってみただけだった。しかし、待ち合わせ場所に現れたのはまぎれもなく派遣のタカコさんだった。
本当にお金に困ったら
別に彼女は僕を見て驚きもしなかった。「奇遇ですねえ」と面白がって、抵抗もなく抱かせてくれた。
「セックスしないでお金を稼ぐのも限度があるんですよね」と、タカコさんは派遣社員では足りないお金を援助交際で稼いでいたのだ。そんなに生活が苦しいの?と聞くとそんなことはないらしい。
「夏の間に稼げるだけ稼いで冬は何にもしないのが私のスタイルなんです」とタカコさんは言っていた。冬の間に楽をするために貯蓄するには、セックスしないでお金を稼ぐだけでは足りないそうだ。その辺は「夏はフル稼働なんですよ」とタカコさんはスパッと割り切って貯蓄のためのセックスをしていたのである。
こうして、9月になり契約満了となったタカコさんは会社を去っていった。そして、出会い系サイトのタカコさんも姿を消した。
「私なんて、夏にしか出てこない冷やし中華みたいなものですよ」
最後にタカコさんを抱いた時に彼女はそう言っていた。来年の夏、また冷やし中華を食べることができるのだろうかと、僕は腰を振りながら思った。
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